色とりどりな君の花
今日も朝から雨が降ってるなぁ。マジで憂鬱なんだけど。
傘をさすのが少しめんどくさいんだよね。カバンも濡れちゃうし最悪だ。
しかも、梅雨に入っちゃったから当分は雨が降り続くんだろう。ジメジメしてて気持ち悪い。
「朝から不機嫌だね、咲希」
「あ、舞おはよう。朝から雨って気分が上がらなくない?」
「分かる。髪もうねっててさ、朝大変だったんだよー」
女子って生きるだけで大変だ。特に、男子に変に思われたくないから余計に姿を気にしてしまう。
「女子って朝から大変そー。そう思うと男子ってめちゃ楽だわ」
「ハイハイ、圭佑達は良かったねー」
全く、圭佑は女の子の気持ちを理解できない男子ランキング一位なんじゃないかな。
舞は男子が苦手だから、私の後ろに隠れるようにして目を伏せている。
「あのさぁ、舞が男子が苦手なの知ってるでしょ?少しは考えて行動しなよ」
私がそう言うとヘイヘイ、と生意気な返事をして彼は友達のところへ戻って行った。
そんな中、朝の会で夏祭りのプリントを貰った。これくらいの時期になると毎回貰っているプリントだ。
でも、私はあまり行ったことがない。それこそ、もしかしたら小学生以来なんじゃないかな。
…今年こそ行きたいなぁ、夏祭り。
それから、いつも通りに授業を受けたけど集中できなかった。夏祭りのことをずっと考えていた。
ダメだ、集中しないと。
でも結局、何にも頭に入っていないまま帰りの時間になった。
「咲希また明日!」
「うん。舞も気をつけて帰ってね!」
なんてやり取りをした後、私も帰る準備を終わらせた。これで帰るだけだ、と思った時、圭佑に呼び止められた。
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