色とりどりな君の花

「ほら、さっさと屋台回るぞ!…はぐれんなよ?」

まただ。さっきから私、ずっとドキドキしっぱなしなんだけど!…色んな意味で。

でも、こんなにキュンってしたことないよ……

え、キュン?え、え、え、え、え、え?もしやこれが?

「マジか…」

「ん?なんか言った?」

「何でもない…」

気づいたらもう遅い。意識しかしなくなる。……流石にいつも通りには接することが出来るからそこは安心。

てか、また手がいつの間にか繋がってるんだけど!!

ほらほら、色んな人にめっちゃ見られてる!恥ずかしいんだけど!

「ウザいなぁ、マジで。こっちジロジロ見んなよクソが」

なんて声がすぐ近くから聞こえてきたけど、これは気のせいかな?…こんなに圭佑って口悪かったっけ。

まぁ、なんやかんや言ってたくさんの屋台を回ることが出来た。

念願のリンゴ飴を食べることが出来たし、カラフルなわたあめを食べることが出来た。

金魚すくいや的当ても出来たし、お面も買った。圭佑には

「甘いもんばっかで飽きないの?」

「金魚すくい上手いのに、何で的当ては下手なんだよ」

「お面買うなら狐じゃなくて鬼でしょ。あ、ひょっとこでもいいんじゃない?」

って言われた。ふざけんな、の怒りを込めて睨んでやった。ただ、「おぉ怖」と言われてしまったけど。

でも、そんな圭佑は的当てが格段に上手かった。一発で景品を当てるものだから驚いた。

しかも、お一人様一回につき三発打てるため、圭佑は景品を三つゲットした。

そこでもキュンとする場面があった。
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