初恋の糸は誰に繋がっていますか?


翌日会社を休むことは既に達貴さんが総務の上司に連絡しておいてくれたとのことで、朝食を外で取ってから弁護士さんと合流して警察に行った。

確かにこの場へ一緒にくるのは家族くらだろう。
私が話を聞かれている間も達貴さんがいてくれたおかげで不安を抱かずに済ませることが出来た。

警察からは下村さんがうちの会社との情報漏洩などや、私へのつきまといも全て否定していると聞かされた。
彼女は誤解をしているので二人だけで会って話がしたいと繰り返しているらしく、弁護士さんからは、モラハラする男性の典型例ですねとあきれ顔で言っていた。


あっという間に夕方、外で早い夕食を取ることにした。
入ったのはオフィスビルの最上階にある中華レストラン。
格式高い家具にスタッフ、通されたのは個室で奥に丸テーブル、手前には応接セットがある。
部屋がビルの角というだけあって、一面に夕焼けのビル街が広がっていた。
料理長のお任せコースを頼んだ達貴さんの顔はお店の人に知られているらしく、黒服の男性は笑顔で応対している。
まずは達貴さんの生ビールと私の中国茶で乾杯をすればすぐに前菜が運ばれてきた。
綺麗なお皿に盛られた前菜はカラフルで、一口食べるとコリコリした食感とさっぱりした味があとをひく。

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