偽りの夫婦〜溺愛〜
「僕、着替えてくるね!」
そう言って、リビングを出ていった紅羽。

「……/////」
双葉は、ポーッとしてうっとりしていた。

(これが、恋…/////)

「……って!!
夕食!!全然、出来てない!!」 

双葉は慌てて、紅羽のいる部屋に向かう。

「紅羽さん!」

「ん?
ちょうどよかった!
今日夕ご飯食べたら、ベッド動かしていい?」

「へ?」

「双葉を抱き締めて寝たいんだ!
ベッドをくっつけて、一つのベッドにして寝よう?
で、明日ベッド買いに行こう!
2つもベッドいらないでしょ?」

「……/////」

「嫌…かな?」

「いえ/////そんなことないです/////」

「良かった!」

嬉しそうに笑う紅羽を見ながら、双葉は(これが、夫婦なんだ!)と感激していた。

「じゃあ…夕ご飯食べよう! 
おなかすいちゃった!」

「はい!
……………あ!」

「ん?」

「あ、あの…
紅羽さんに大変申しあげにくいことが……」

「ん?どうしたの?」  

「ちょっと今日は色々あって、全く夕食の準備が出来てないんです…
今から急いで作るので、少しお待ちを!
お仕事でお疲れなのに、本当にごめんなさい!」

「そんな謝らないで!」
ペコペコ頭を下げる双葉の頭を上げさせる。

「すみません!
とりあえず、急いで……」
「だったら、外食しようよ!」

「え?」

「ね?
ゆっくり歩いて、お酒飲んでさ!
双葉も、一杯くらいなら飲めるよね?」

「はい。
すみません、お手数おかけして……」

「いいって!
ほら、着替えよう?」

「はい!」

着替えて、マンションを出た二人。
紅羽が手を握ってきた。

「あ…/////」
「手、繋ご?」

指を絡めてきた紅羽に、顔を赤くしながら「はい/////」と頷いた。

「僕の知ってるイタ飯屋でいいかな?」
「はい!」

ゆっくり歩きながら、双葉は紅羽を見上げた。
(ほんと、素敵な人…//////
まさに、王子様//////)

「見て、あの人カッコいい…/////」
「ヤバくない?」
街行く人達が、紅羽に見惚れている。

「………」
(あ、そうか…
私がカッコいいって思うってことは、他の人から見てもそう思うってことだよね…
カヨも“イケメン”って言ってたし…)


なんか…嫌だな……

紅羽さんは、私の旦那様なのに………
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