偽りの夫婦〜溺愛〜
「円華さんは、お酒飲まれないんですか?」

「あー、私妊娠中なんです!」

「え!?
そうなんですね!
わぁ〜、おめでとうございます!」

「フフ…ありがとうございます!」

(妊娠か…
私は、それ以前の問題だな…(笑))


「―――――僕がこんな事言うの、変だけど…
新婚生活、どう?」
太知が少し窺うように聞いてきた。

「幸せだよ!」
紅羽は、太知と円華を真っ直ぐ見て微笑んだ。

そして、こんなふうに真っ直ぐ二人を見て“幸せ”だと言えるようになったことを、嬉しく思っていた。

これも、双葉のおかげだ。

「そう!良かった!」

「太知達も幸せそうだな!」

「まぁね!」

「順調なの?子ども」

「えぇ!」

「良かったね!」

「…………フフ…紅羽“本当に”そう思ってる?(笑)」

「うん。
“心から”そう思ってるよ!」

「そっか!
だったらいいの!」

「円華」

「ん?」

「“そうゆう話”二度と、双葉の前でしないでね」

「………あ、そうね…
ごめんなさい」

「あ…
だ、大丈夫ですよ?
誰だって、色んなことがあるし…」

「でも双葉は、綺麗でしょ?
ピュアで、真っ白だもん!」

「そんなこと…ないです…」


「―――――双葉さんは、紅羽の前に付き合ってた人はいるんですか?」

太知の質問に「いえ、紅羽さんが初めてです」と答える。

「へぇー!初めての人と結婚なんて、素敵ね!」

「はい/////
紅羽さんと出逢えて良かったと思ってます!」

「僕も、出逢えて良かったと思ってるよ!」

「はい!」
微笑み合う、紅羽と双葉。

「ラブラブだな!
まさに、美男美女だし!」
太知が微笑ましく見ていた。

「そうね…」
しかし円華は……
少しだけ、本当に少しだけ…羨ましく思っていた。

(私には“そんな蕩けるような笑顔”見せてくれなかった…)


そして双葉と円華は化粧直しのため、トイレにいる。

「双葉さんは、紅羽との生活どうですか?」

「え?幸せですよ!」

「紅羽、優しいですもんね!
あんなにイケメンなのに、紳士だし!
まさに、スパダリ!」

「はい//////」

「双葉さん、紅羽が初めてってことは…
キスやそれ以上も、初めて紅羽と…ってことですよね?」

「え…あ…/////はい////」

「双葉さんは、比べることがないでしょうけど…
紅羽って上手いんですよ?」

「え?
何がですか?」

「キスやセックス」

「え…!?//////
あ…//////そ、そうなんですね…//////」

「フフ…
ピュアな双葉さんには、刺激が強すぎたかな?(笑)」

「……/////」

「それだけは、羨ましいなぁー(笑) 
紅羽に、セフレお願いしようかな〜?
……って、私今妊娠中だけど!」

「…………え?」

「なーんて!(笑)
冗談ですよ?(笑)」


(どうして、そんなことを……?)
双葉は信じられない思いで、目に涙を溜め円華を見ていた。
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