偽りの夫婦〜溺愛〜
「双葉さん?」
「どうして、そんなことが言えるんですか?」
「え?」
「円華さんが、紅羽さんを振ったんですよね?
なのに、どうして……!?
紅羽さんや太知さんに、失礼です…!」
真っ直ぐな双葉の視線。
あまりにも綺麗で、円華は自分が穢れているような気になる。
「………」
「すみません、先に出ててもらえますか?
こんな顔してたら、紅羽さんに心配をかけるので…」
そう言って双葉は、もう一度化粧直しをし始めた。
「――――双葉は?」
席に戻ると紅羽だけがいて、太知は仕事の電話でちょっと外に出ていた。
「うん」
「は?なんかあったの?」
「ちょっと、意地悪言っちゃって…」
「は?」
「少し、羨ましくて…
私と付き合った時の紅羽は、あんな笑顔見せてくれなかったから…
双葉さんに、嫉妬したの…」
それを聞いた紅羽が、切ない表情をして言った。
「円華って、ほんと愚かだね……!」と。
「太知のことを好きになったって時もそうだったけど、自分勝手ってゆうか…相手に対しての配慮がない」
「………」
「だって、本当は二股かける気だったんでしょ?
僕と太知で」
「え……それは…」
「太知に“ちゃんとケジメつけよう”って言われたから、僕に別れを告げたんだろ?」
「知って…た…の?」
「うん。
太知が言ってたから」
「そう…」
「太知はさ。
あの性格だから、今でも僕にどこか遠慮ってゆうか…気を遣ってる。
“僕から円華を奪った”って思ってるみたいだし。
でも僕からすれば、太知は何も悪くない。
僕的には、円華にもっと気を遣ってもらいたい!
安易に“あんな発言”したり、双葉にマウント仕掛けたり…」
「………」
「それでも……
僕は円華が大好きだったし、太知は今円華のこと大好きだから、ワガママな円華ごと受け入れてる。
でもそうゆうの、もうやめなよ」
「………」
「円華はもう太知の奥さんで、母親になる。
いい加減、大人になりなよ」
「………」
「悪いけど、帰るね」
紅羽は万札をテーブルに置き、席を立った。
「どうして、そんなことが言えるんですか?」
「え?」
「円華さんが、紅羽さんを振ったんですよね?
なのに、どうして……!?
紅羽さんや太知さんに、失礼です…!」
真っ直ぐな双葉の視線。
あまりにも綺麗で、円華は自分が穢れているような気になる。
「………」
「すみません、先に出ててもらえますか?
こんな顔してたら、紅羽さんに心配をかけるので…」
そう言って双葉は、もう一度化粧直しをし始めた。
「――――双葉は?」
席に戻ると紅羽だけがいて、太知は仕事の電話でちょっと外に出ていた。
「うん」
「は?なんかあったの?」
「ちょっと、意地悪言っちゃって…」
「は?」
「少し、羨ましくて…
私と付き合った時の紅羽は、あんな笑顔見せてくれなかったから…
双葉さんに、嫉妬したの…」
それを聞いた紅羽が、切ない表情をして言った。
「円華って、ほんと愚かだね……!」と。
「太知のことを好きになったって時もそうだったけど、自分勝手ってゆうか…相手に対しての配慮がない」
「………」
「だって、本当は二股かける気だったんでしょ?
僕と太知で」
「え……それは…」
「太知に“ちゃんとケジメつけよう”って言われたから、僕に別れを告げたんだろ?」
「知って…た…の?」
「うん。
太知が言ってたから」
「そう…」
「太知はさ。
あの性格だから、今でも僕にどこか遠慮ってゆうか…気を遣ってる。
“僕から円華を奪った”って思ってるみたいだし。
でも僕からすれば、太知は何も悪くない。
僕的には、円華にもっと気を遣ってもらいたい!
安易に“あんな発言”したり、双葉にマウント仕掛けたり…」
「………」
「それでも……
僕は円華が大好きだったし、太知は今円華のこと大好きだから、ワガママな円華ごと受け入れてる。
でもそうゆうの、もうやめなよ」
「………」
「円華はもう太知の奥さんで、母親になる。
いい加減、大人になりなよ」
「………」
「悪いけど、帰るね」
紅羽は万札をテーブルに置き、席を立った。