「君を愛することはない」ってラブラブハッピーエンドへの常套句じゃなかったんですか!?
 そしてその一冊を選んでしまうとは。

 自分の浅はかさに思わず頭を抱えてしまう。

「そもそも、『君を愛することはない』は最終的に溺愛する側が言うセリフなの」
「はい」
「コルン卿に愛されたかったならアリーチェが言うセリフではないわ」
「はい」
「むしろ好感度を下げるだけよ」
「……はい」

 辛辣な、だが事実であることを指摘されて項垂れた私だったが、ここであっさりとコルンを諦めたくはない。

“だってこんなに好きなんだもの”

 もう嫌われてしまったかもしれないし、最初から私のことなんて少しも好きじゃなかったからこんな書類を用意していたのかもしれないが……それでも、まだ私は自分の力では何も頑張っていないのだ。

「婚約はお父様頼みだったし、それに毎日ただただ彼へとつきまとうことしかしてなかったわ」
「あら、それはいい気付きね」
 

 努力をしよう。私はそう思った。

 貴族の子女が通う学園でも、トップクラスの成績常連のエリーに比べ私は中。
 それも限りなく下のカテゴリーに近い中という学力。

“まずはわかりやすくそういった数字が出るものから頑張ろう”
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