「君を愛することはない」ってラブラブハッピーエンドへの常套句じゃなかったんですか!?
4.あの日から私は
“でも本当に一目惚れだったのよ”
六年前の狩猟大会。
危ないとわかっていたのに可愛いウサギを追いかけて入った狩場。
そんな場所に子供が入れば獲物と見間違えられるなんて事故が起きるのも必然だった。
弓や剣、クロスボウと各々の武器で狩猟大会に臨んでいた参加者のうちのひとりが、小鹿かキツネなどの中型の獲物と見間違えたのだろう。
突然茂みの中に潜り込んでいた私の近くへ刺さった弓矢。
その弓矢に驚き、絶句してしまったのもよくなかった。
“あの時は本当に死ぬかと思ったわ”
その場で声を出せば私が人間だと気付いて貰えただろうし、イチかバチかなところもあるがいっそ茂みから飛び出してしまえば子供だと気付いて貰えたかもしれない。
だが驚き硬直してしまった私は、茂みの中で震えるしかなかったのだ。
狩猟大会の伝統として、自身の狩った獲物を慕う相手へと捧げ告白する風潮がある。
そのため相手も隠れる獲物を見逃すことはせず、いそうな場所へと何本もの弓を引いた。
いつ当たってもおかしくない状況。
その時だった。
「アリーチェお嬢様!」
六年前の狩猟大会。
危ないとわかっていたのに可愛いウサギを追いかけて入った狩場。
そんな場所に子供が入れば獲物と見間違えられるなんて事故が起きるのも必然だった。
弓や剣、クロスボウと各々の武器で狩猟大会に臨んでいた参加者のうちのひとりが、小鹿かキツネなどの中型の獲物と見間違えたのだろう。
突然茂みの中に潜り込んでいた私の近くへ刺さった弓矢。
その弓矢に驚き、絶句してしまったのもよくなかった。
“あの時は本当に死ぬかと思ったわ”
その場で声を出せば私が人間だと気付いて貰えただろうし、イチかバチかなところもあるがいっそ茂みから飛び出してしまえば子供だと気付いて貰えたかもしれない。
だが驚き硬直してしまった私は、茂みの中で震えるしかなかったのだ。
狩猟大会の伝統として、自身の狩った獲物を慕う相手へと捧げ告白する風潮がある。
そのため相手も隠れる獲物を見逃すことはせず、いそうな場所へと何本もの弓を引いた。
いつ当たってもおかしくない状況。
その時だった。
「アリーチェお嬢様!」