「君を愛することはない」ってラブラブハッピーエンドへの常套句じゃなかったんですか!?
――とは言っても、そんな子供の片想いが簡単に実るほど世間は甘くなく、また彼の実家が子爵家ということで身分差もあった。
だが政略結婚より恋愛結婚という流れが出来始めていたお陰もあり、三ヶ月前にコルンと婚約するという悲願が叶ったのだが……。
「ねぇエリー。どうやったらもっとコルンとラブラブになれると思う?」
趣味の読書に没頭しようとしていたエリーへと話しかけると、かなり呆れた視線が返ってくる。
“でも、そんなこと気にしてられないのよ……!”
やっと婚約者になれたのだ。
出来れば手を繋いでデートに行ってみたいし、スイーツの食べさせあいっこや口付けだってしたい。
いつかはその先だって望んでいる。
だがコルンはと言えば出掛けてもまるで私を護衛するかのように歩き、なんとか手を繋ごうとしても「いざという時困るから」と許可してくれない。
いつかのその先どころか手すら繋いだことがないのだ。
「少しくらいラブラブになりたいのに」
「だったらほら、私の本を貸してあげるから参考にすれば?」
はい、と渡してくれたのは三冊の恋愛小説。
だが政略結婚より恋愛結婚という流れが出来始めていたお陰もあり、三ヶ月前にコルンと婚約するという悲願が叶ったのだが……。
「ねぇエリー。どうやったらもっとコルンとラブラブになれると思う?」
趣味の読書に没頭しようとしていたエリーへと話しかけると、かなり呆れた視線が返ってくる。
“でも、そんなこと気にしてられないのよ……!”
やっと婚約者になれたのだ。
出来れば手を繋いでデートに行ってみたいし、スイーツの食べさせあいっこや口付けだってしたい。
いつかはその先だって望んでいる。
だがコルンはと言えば出掛けてもまるで私を護衛するかのように歩き、なんとか手を繋ごうとしても「いざという時困るから」と許可してくれない。
いつかのその先どころか手すら繋いだことがないのだ。
「少しくらいラブラブになりたいのに」
「だったらほら、私の本を貸してあげるから参考にすれば?」
はい、と渡してくれたのは三冊の恋愛小説。