「君を愛することはない」ってラブラブハッピーエンドへの常套句じゃなかったんですか!?
 元々の好感度を下げておくことで上り幅を急激にし、そのギャップでヒロインの中の好意を促す。

 ゼロの好感度を百まで増やすより、マイナスの好感度を百にした方が「好きかも」から「すっごく好きかも!」と思わせる高度なテクニックだ。

 しかも恋愛テクニックとしては高度なのに、やることといえば最初に相手へ好意がないと思わせてからのひたすら好き好きアピールをするだけというお手軽さ。
 これならば私にも出来るのではとテンションがどんどんあがる。

「これでコルンとのラブラブハッピーエンドが手に入るってことね……!」

 やることは簡単。ただコルンに、実は愛していないと告げてから猛アピールするだけである。
 嘘でもそんなことを告げるのは心が痛いが、だがこれは私たちのラブラブ作戦の為だから。

「待っていなさいコルン! でろっでろに溺愛してあげるんだからね!!」

 私はベッドの上で仁王立ちになり、まだ見ぬ明日へと指さしながらそんな宣言をしたのだった。
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