君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜

雨の日

朝、ザアザアという音で目が覚める。頭がズキズキと痛んで、今日の天気は雨かとベッドの中でため息を吐いた。

私は雨が嫌い。気圧の変化のせいか頭が痛くなるし、お気に入りの靴も靴下も気を付けていても濡れてしまう。雨は必要なものだとわかっていても、好きになれない。

「……こんな日にバイトか〜」

カーテンの外を見て私はため息をもう一度吐く。高校生になってすぐにパン屋さんでバイトを始めた。今日はバイトが入っている。かなり雨足は強そうだ。

着替えを済ませてリビングへ向かう。いつもはリビングでお父さんとお母さんがいるけど、今日はいない。二人とも今は長野へ旅行中だ。商店街の福引きでペアチケットが当たって、「行ってきなよ」って私が言ったんだ。もう高校生だから家のことは一人でもできるから。

朝ご飯を軽く食べて薬を飲む。痛みがバイト中は引いてくれるといいけど。まだ痛む頭に軽く触れて、私はバイトに行く準備を始めた。



バイト先であるパン屋さんは家から徒歩圏内にある。オレンジ色の傘を差しながら濡れた道を歩き、先輩や店長に挨拶をした後、制服に着替えた。人気のパン屋さんのため、朝から多くのお客さんがやって来る。