君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
朔弥さんは「どうかな?」と訊ねる。普通のデートすらしたことがないのに旅行?胸の中にズシンと岩がのし掛かったような感覚が走る。
「美羽は十八歳だし、ご両親の許可も貰ってるよ。オーストリアはとっても素敵なところなんだ。一緒に色んなところを観光しに行こう」
朔弥さんが私の手に触れる。温かい手が重なっているはずなのに、私の指先はどんどん冷たくなっていく。どこか重苦しい自分の心に耐えられず、私は朔弥さんの手を振り解いてしまった。
「美羽?」
「旅行は行きたくありません!」
大きな声を上げた私に朔弥さんは戸惑った顔を見せる。刹那、腕を素早く掴まれた。
「何で?僕、美羽に何かした?フリージアは嫌いだった?他にほしいものがあるの?ねぇ、教えてよ!」
必死に懇願するその姿に、ゾワリと鳥肌が立つ。怖い。怖くて堪らない。朔弥さんの胸板を強く押し、離れる。
「あなたが怖いんです!結婚したくない!」
私がそう言った刹那、朔弥さんの顔から表情が消える。そして私の体をソファに押し倒した。
「美羽は十八歳だし、ご両親の許可も貰ってるよ。オーストリアはとっても素敵なところなんだ。一緒に色んなところを観光しに行こう」
朔弥さんが私の手に触れる。温かい手が重なっているはずなのに、私の指先はどんどん冷たくなっていく。どこか重苦しい自分の心に耐えられず、私は朔弥さんの手を振り解いてしまった。
「美羽?」
「旅行は行きたくありません!」
大きな声を上げた私に朔弥さんは戸惑った顔を見せる。刹那、腕を素早く掴まれた。
「何で?僕、美羽に何かした?フリージアは嫌いだった?他にほしいものがあるの?ねぇ、教えてよ!」
必死に懇願するその姿に、ゾワリと鳥肌が立つ。怖い。怖くて堪らない。朔弥さんの胸板を強く押し、離れる。
「あなたが怖いんです!結婚したくない!」
私がそう言った刹那、朔弥さんの顔から表情が消える。そして私の体をソファに押し倒した。