君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
笑顔
天蓋付きのベッド、リボンのついた大きなぬいぐるみ、煌びやかなシャンデリア、ピンクや白の繊細な家具ーーー。小さい頃に憧れたお姫様みたいな部屋で、私はぼんやりと部屋に貼られた花柄の壁紙を見ていた。
私の名前は杏菜(あんな)。年齢は十九歳。愛媛出身で名古屋の専門学校に通っていた。過去形なのは私は数ヶ月前に誘拐されて、このお姫様みたいな部屋で監禁されているから。
この部屋には窓も時計もない。ただ、私を誘拐した人が来るまで何もわからない。私を誘拐した龍羽(りゅうは)さんが来るまでぼんやりしているしかない。
この部屋は専用の鍵がないと内側からも外側からも開けられない。だからどう足掻いても出られない。逃げるという気力はもうなくなってしまった。
「杏菜」
ドアが開いて龍羽さんが入ってくる。その手にはリボンの巻かれた大きめの箱があった。龍羽さんはどこか引き攣った笑みをその顔に浮かべている。
「新しいドレスが届いたんだ」
「……ありがとうございます」
私の名前は杏菜(あんな)。年齢は十九歳。愛媛出身で名古屋の専門学校に通っていた。過去形なのは私は数ヶ月前に誘拐されて、このお姫様みたいな部屋で監禁されているから。
この部屋には窓も時計もない。ただ、私を誘拐した人が来るまで何もわからない。私を誘拐した龍羽(りゅうは)さんが来るまでぼんやりしているしかない。
この部屋は専用の鍵がないと内側からも外側からも開けられない。だからどう足掻いても出られない。逃げるという気力はもうなくなってしまった。
「杏菜」
ドアが開いて龍羽さんが入ってくる。その手にはリボンの巻かれた大きめの箱があった。龍羽さんはどこか引き攣った笑みをその顔に浮かべている。
「新しいドレスが届いたんだ」
「……ありがとうございます」