君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
どれくらいもがいていただろうか。ドッと疲れが押し寄せて暴れるのを止める。すると誰かが箱の蓋を開けた。暗闇の中に光が入ってくる。

(誰か助けに来てくれたの!?)

そんな淡い期待を抱きながら顔を上げた。箱を開けたのは私より少し年上に見える男性だった。彼は箱に閉じ込められた私を見て心配する素振りは見せなかった。むしろ、嬉しそうに笑っている。

「わぁ、やっと届いた。僕のプレゼント!」

その言葉で泣きそうになる。この人は私をこんな目に遭わせた張本人なんだ。悲しくなると同時に怖くなる。私はこれからどうなるんだろう……。

「出してあげるね」

男の人は私を抱き上げた。視界に光がいっぱい入り込んで一瞬目がくらむ。しばらくして目を開けた時、目の前にあったのは見知らぬ高層マンションの一室だった。窓の外からは大都会の景色が遠く見える。

(ここ、どこ?)

そして明るいところで見ると、私を拘束しているのはただの紐ではなかった。プレゼントのラッピングに使用されていそうな赤いリボンである。
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