君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
牢獄
頭が痛い。私は何をしていたんだっけ?意識がぼんやりとしていて思い出せない。

私は紅葉(くれは)。猫カフェで店員として働いている。今日は仕事だった。仕事を終えて後片付けをして、家に帰る途中だったはず。でもおかしい。家に帰った記憶がない。

ゆっくりと目が開いていく。目の前にあったのは、見知らぬ天井だった。思わず体を起こすとジャラッという聞き慣れない音と感触。

「ひっ!」

私の足には足枷が付けられていた。引っ張ってみたものの、取れる気配は当然ない。私は改めて自分の周りに目を向けた。

ベッドとトイレ、暇つぶしができるようにか小説やゲーム機が用意されたこの部屋はただの部屋には存在しないものがあった。それはーーー。

(まるで牢屋だわ)

鉄格子がこの部屋には嵌められていた。テレビドラマで見る刑務所のような空間(実際の牢屋ならゲーム機などはないと思うけど)に私は閉じ込められている。

「だ、誰か!!誰かいませんか!?」
< 169 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop