君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
「……何で!何でそんなことしたんですか!」

「君を手に入れるためだよ。思ったよりずっと簡単に事が進んで驚いたけど。だけど一つだけ予想外のことがあってね」

高嶺さんの大きな手が私の頰に触れる。相変わらずときめくことはない。でも今は嫌悪感が胸に広がっていく。

「仕事を辞めてから麗奈はお人形みたいに感情がなくなっちゃった。でも今は感情がある。人間に戻ったね。僕はお人形と結婚する気はないから」

高嶺さんが私にしたことを会社の人に言わなくちゃ。高嶺さんのせいだってわかったら、私はまたあの会社で働ける。そんな淡い期待を高嶺さんは笑って打ち砕いた。

「言っておくけど、僕がしたという証拠は残っていないよ。だから麗奈がどれだけ騒いだって無駄さ。僕と麗奈じゃ信頼度も違うしね」

高嶺さんが私を腕の中に閉じ込める。ふわりと漂った甘い香りに頭がくらりと揺れた。

「だから諦めて俺の奥さんになってね」









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