君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
さあ、一緒に帰ろう
チャイムの音が鳴り響き、講義が終わったことを告げる。教授が「レポートを来週提出するように」と一言言って部屋を出て行った。私は大きく伸びをする。

「やっと終わった〜!」

私は大学二年生。田舎から上京してきた。学費を親が払ってくれないから、奨学金を借りて毎日バイトに明け暮れている苦学生だ。

「紅音(あかね)〜!今から××大学と合コンだけど来ない?来る予定だった子、ドタキャンしちゃったんだよね」

「ごめん!今日もバイトなんだ」

友達に謝り、鞄を手に部屋を出る。私がしているバイトは家庭教師と警備員。今からあるのは家庭教師の方だ。お給料がいいので一年生の頃から続けている。

「ねえねえ〜、今からカフェ行こうよ!」

「いいぜ。そこでレポート仕上げよう」

男子と女子が楽しそうに話しながら歩いている。それを見るとちょっと羨ましくなる。私はバイトで忙しいから彼氏なんて作る暇はない。家賃や生活費を稼ぐのに忙しいから。

私の故郷である田舎は、正直あんまりいい思い出がない。時代錯誤な考えの人が多くて、男尊女卑も根強く残っている。大学に進学したいって言った時も「女のくせに」と散々言われた。
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