君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
声を荒げて私が言うと、「言いたいことってそれだけ?」と恋雪はニコニコと笑ったまま訊ねる。その態度に苛立って思わず手を振り上げると、その手を素早く掴まれた。

「酷いよ。僕がやったって決めつけるなんて」

「だって、こんなことができるのってあんたしか……!」

「証拠は?証拠はあるの?僕が突き飛ばしたところが防犯カメラにでも映ってた?でもそんな証拠があったなら、僕はとっくに警察に捕まってるはずだよ」

恋雪の言葉に唇を噛む。悔しいけどこいつの言う通りだ。私が好きになり、両想いになった人が死んでいく。その偶然が重なっているだけ。

何も言えなくなった私の手を恋雪は幸せそうに触る。その感触にゾワリと寒気が走り、「やめて!!」と振り解いた。

「そんな拒絶されると悲しいな。美鈴ちゃんは僕の許嫁なんだよ。許嫁に触れることができないなんて辛いな」

「許嫁なんて勝手に親が決めたことでしょ。私はあんたと結婚なんて絶対に嫌だから」
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