君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
私はそれだけ言い、椅子から立ち上がる。もうこの部屋にはいたくない。早く出たい。それだけしかもう頭になかった。

なのに、私を背後から恋雪に抱き締められた。細身のくせに力が強い。恋雪の体温や心臓の音が伝わって、私は必死に抵抗する。

「離して!!」

「……ねぇ、もう諦めたら?」

恋雪の声は恐ろしさを感じるほど低く、冷たいものだった。その声に私の体は固まったかのように動かなくなる。そしてカタカタと小刻みに震え始めた。

「美鈴ちゃんが僕と結婚してくれたら、もうこんな悲劇は一生起こらないんだよ。みんなが幸せになれるんだ」

「……やっぱりあんたが!!」

「僕がやった証拠はないよ。美鈴ちゃんがどれだけ頑張っても見つからない」

私を拘束する腕に力が入る。苦しい。もがく私の耳元で恋雪が囁いた。

「美鈴ちゃん、僕と結婚してくれませんか?」









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