君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
実くんの大きな手が私の喉に触れる。そしてグッと一気に絞められた。苦しい。私は実くんの手を引き剥がそうとする。でも敵わない。息ができない!苦しい……。

ようやく解放された時、頭の中はジンジンと痛みを発していた。激しく咳き込むだけで何も話せない。実くんは私の手からオードブルとケーキの入ったエコバッグを奪った。

「何これ?こんなもんで誰もパーティーするつもりだったんだ?」

「……一人だよ。一人で食べるつもりだったの」

弱々しくそう答えると、実くんは興味なさそうに「ふーん」と言った後、エコバッグごとオードブルたちを外に投げ捨てた。それに驚いて「何するの!」と大きな声が出る。するとお腹に衝撃が走った。実くんに殴られたんだ。痛みでその場に崩れ落ちる。

「しばらく会わない間に随分と反抗的になったみたいだな。躾、またやり直さねぇと」

髪を掴まれて乱暴に引っ張られる。「痛い」とどれだけ叫んだって無駄だ。そのままリビングへ連れて行かれて、椅子に座らされる。そしてビニール紐で体を縛られ、逃げられなくなった。
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