君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
そばにいるよ
私の世界には光や色はない。三年前に私の世界から光や色は消えてしまった。それからは暗闇の中、手探りで生活をしている。
「日菜(ひな)ちゃん、そろそろご飯できるよ」
ソファに座っていた私に総司(そうし)くんが声をかけてくる。私は「は〜い」と言ってソファから動こうとした。すると総司くんが「待って」と慌てた様子で声をかける。
「僕が誘導するから日菜ちゃんは座ってて。怪我したら大変だよ」
「そ、そっか。ごめんね」
「ううん。日菜ちゃんのためなら全然苦じゃないよ。むしろご褒美」
私の真っ暗な視界じゃ、総司くんがどんな顔をしているのかは当然わからない。でもきっと眩しいくらいの笑顔なんだろう。記憶の中の総司くんはいつだって笑顔だ。
カチャカチャとリビングに音が響く。総司くんが洗い物をしている音だ。本当なら私だってしたいのに、総司くんは頑なにさせてくれない。危ないからって。私は確かに「普通」じゃなくなってしまったけど、総司くんは過保護な気がする。
「日菜(ひな)ちゃん、そろそろご飯できるよ」
ソファに座っていた私に総司(そうし)くんが声をかけてくる。私は「は〜い」と言ってソファから動こうとした。すると総司くんが「待って」と慌てた様子で声をかける。
「僕が誘導するから日菜ちゃんは座ってて。怪我したら大変だよ」
「そ、そっか。ごめんね」
「ううん。日菜ちゃんのためなら全然苦じゃないよ。むしろご褒美」
私の真っ暗な視界じゃ、総司くんがどんな顔をしているのかは当然わからない。でもきっと眩しいくらいの笑顔なんだろう。記憶の中の総司くんはいつだって笑顔だ。
カチャカチャとリビングに音が響く。総司くんが洗い物をしている音だ。本当なら私だってしたいのに、総司くんは頑なにさせてくれない。危ないからって。私は確かに「普通」じゃなくなってしまったけど、総司くんは過保護な気がする。