君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
（もう総司くん無しじゃ生きていけないな……）

そんなことを考えてしまった。私はきっと総司くんに依存してしまっている。いけないことだとわかっているけど、総司くんの優しさはまるで蔦のように絡み付いて、離してくれない。私はその蔦に飲み込まれてしまったんだと最近気付いた。

「お待たせ。ご飯食べようか」

総司くんが私の手を取り、テーブルへと誘導する。ふわりといい匂いが漂った。

「この匂い、もしかしてハンバーグ？」

「正解！」

総司くんは嬉しそうに言いながら私を座らせる。こんな体になって初めて匂いで色んなものをわかるようになった。

「日菜ちゃん、あ〜ん」

「えっ？自分で食べるよ？」

「今日は僕が食べさせたいの！あ〜ん」

総司くんがハンバーグを食べさせてくれた。肉汁が口の中に広がって、とてもおいしい。総司くんは昔から料理が得意だったけど、結婚してからさらにその腕を上げている。

「おいしい！」

私がそう言うと、「ありがとう」と総司くんは弾んだ声で言う。世間から見たら私たち夫婦は「可哀想」なのかもしれない。でも私は今が一番きっと幸せだ。
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