君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
三年前、私は別の男性と婚約中だった。家族も幼なじみの総司くんも祝福してくれて、私は彼と結婚する日を心待ちにしていた。

でも婚約者に誘われて箱根旅行に行った時、私の運転する車に前方からトラックが突っ込んできた。そして私は視力を完全に失ってしまった。

目が見えなくなった私を婚約者はあっさりと捨ててしまった。でも、絶望のどん底に落ちてしまった私に総司くんは手を握り締めながら言ってくれた。

「僕はずっと日菜ちゃんのそばにいるよ。結婚しよう」

総司くんは両親を説得して結婚してくれた。そして在宅ワークに切り替えてもらって、職すら失ってしまった私の面倒を見てくれている。二人きりの世界。温かくて穏やかな世界だ。きっと目が見えたままだったら手に入らなかった。

「日菜ちゃん」

ご飯が終わり、お風呂に入っている時だった。湯船に浸かっている私を背後から総司くんは抱き締める。触れ合った肌がやけに熱い。

「もし、僕が日菜ちゃんの目から視力を奪ったって言ったら僕のこと嫌いになる？」

「えっ？何その質問」

「いいから答えて」
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