君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
渉は結婚してから私が外に一人で行くのを嫌がるようになった。スマホにいつの間にか位置情報共有アプリを入れられて、毎日監視されている。付き合っている時は束縛は少しあったけど、ここまで酷くはなかった。

ベッドに私を降ろすと渉は戸棚を開けて何かを取り出す。縄と手錠だ。またあんなことをされるのかと私の体が震えた。でも逃げることは許されない。

「どっちがいい?」

渉に聞かれ、私は手錠を指差す。私が選ぶと渉は迷うことなく私の手に手錠をかけた。そして私はベッドに寝かされて、両足を開かされて鎖で縛られる。両足を広げた状態のまま私は動けなくなった。そんな私の頰を渉は撫でる。

「外に出たらいけないとあれほど言っていたのに忘れちゃった?」

「……ごめんなさい」

ここで言い訳をすればどうなるかわかっている。謝ると渉は「わかってるならどうして言いつけを守らないの?」と悪いことをした幼い子どもを叱る時みたいに言う。

「だって、私だって一人で買い物行ったりしたい」
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