君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
私の言葉に渉の目が見開かれる。私は震える声で続けた。

「休日はいつも渉と一緒。だから平日は一人の自由時間がほしいの!」

私は在宅ワークだから外に出なくていい。でもずっと家に篭りっぱなしは嫌だ。でもこの気持ちはいつだって渉には伝わらない。

「何それ…まどかは愛する人とずっと一緒にいたいって思わないの?相手が何をしているか気にならないの?俺のこと、愛してないの?」

「違う!渉のことは好きだよ。でも、自由だってほしいの」

そう私が懇願するように言うと、唇を重ねられて言葉を強制的にかき消される。何度も唇を奪われて、体を触られた。ようやく唇が離れた時、渉はニコリと笑って言った。

「旦那の言いつけを守れない奥さんはちゃんと教育しないとね」

眠れない夜がこうして幕を開けた。



それからの記憶は途中から曖昧だ。拘束のせいで渉から逃げることはできなくて、渉に好き勝手されていつの間にか意識を失っていた。

「うっ……」

体の気怠さと痛みで目が覚める。手錠や鎖は外されていて、私は渉のTシャツを着せられていた。寝室に渉の姿はない。
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