君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
誰が来たのかわからないけど、とりあえず玄関のドアを開ける。そこには同じ部活の悠二(ゆうじ)が立っていた。コートを着てマフラーを首に巻いているとはいえ、鼻を真っ赤にして寒そうだ。

「悠二?何でここにいるの?」

驚く私に悠二は呆れたようにため息を吐く。そして背負っていたリュックの中から本を取り出し、私に突き出した。

「みずきが昨日俺の家に忘れてったから、わざわざ届けに来てやったの。LINEしただろ?」

「えっ?」

昨日、友達と悠二の家で遊んだんだ。慌ててスマホをポケットから出して起動させる。悠二から確かに「今から届けに行くから」とLINEが送られてきた。悠二の家、ここから三十分以上かかる場所にあるのに。

「わざわざごめん。よかったら上がって。何か飲み物出すよ」

「サンキュー!じゃ、そうさせてもらうわ」

悠二を温かいリビングに案内する。私の部屋、暖房切ってあるから寒いんだよね。リビングをキョロキョロと悠二は眺めていた。

「何も面白いものはないよ〜」
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