君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
足に巻き付けられた鎖は、私が囚われの身であるということを嫌でもわからせてくる。私はその鎖をぼんやりと見つめた。最初の頃はこの鎖を引っ張って逃げようとした。でも今は、その気力すらない。無駄だとわかったから。

私の好きなシンプルなデザインの家具が並んだ一室。そこに似合わない足首に巻かれた鎖とドアに取り付けられた鍵。私は監禁されている。およそ一年ほど前から。

「未来(みく)、おはよう」

ガチャガチャとドアの鍵を開ける音がして、一人の男性が姿を見せる。高身長で華やかな顔立ちの人だ。この人が私を誘拐し、この部屋に監禁している研二(けんじ)さんである。

「おはようございます」

ベッドや椅子ではなく、床に座り込んだまま挨拶をする私を見て、研二さんは困ったように笑った。

「そんな床に座ってちゃダメだよ。ほら、こっちに座ろう」

研二さんが私を抱き上げる。私は何の抵抗もしない。研二さんがソファに座る。私は研二さんの膝の上に座らされていた。
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