君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
「……なぁ、なんか言ったらどうだ?」

ここでだんまりを続けたら殴られるだろう。私はゆっくりと口を開く。

「……元の生活に戻りたかったの。仕事行って、友達と会って、買い物だって行きたい!お願いだから家に帰して!」

声は情けなく震えていた。仁はため息を吐いた後、私の体を指で撫でていく。

「最近は大人しいと思っていたが、まだいい子にはならねぇんだな。そんな奴がどうなるかわかってるだろ?」

仁は棚から鞭を取り出す。竹製のもの。それを目にした瞬間に覚悟をしていたはずなのに、痛かったことを思い出して体が震える。みっともなく泣いてしまう。

「嫌!やめて!お願いだからそれだけはやめて!」

手錠で繋がれた手がガシャガシャと虚しい音を立てる。この拘束からもお仕置きからも逃れられないのに。そんな未来を選んだのは私なのに。でも自由を諦められない。

「この鞭覚えてるか?お前を初めてここに連れてきた時に打ったものだ」

よく覚えている。たった一回打たれただけでミミズ腫れができて、お仕置きが終わる頃には血が出ていた。
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