君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
手錠
「ハァ……ハァ……」
山道をひたすら走る。後ろを振り返らないように、自分がどこを走っているのかわからないけど、ただ走る。あんなところにずっと監禁されているくらいなら、遭難した方がいっそマシだと思った。
私はずっとある男に誘拐され、山の中にある山荘に監禁されていた。ずっと手錠をかけられて、男にずっと監視されていたけど、男が「買い出しに行ってくるよ」と言って出て行った際、手錠の鍵を落としていった。それで拘束を解き、今に至る。
「ハァ……ハァ……」
監禁されていたせいで少し動いただけで息が上がる。スマホも何もないため、ただ勘で山道を下っていくしかない。運良く民家に辿り着くことを祈り、ただ足を動かす。
「早く逃げなきゃ!」
逃げて警察に助けを求めなきゃ。そう思っていたその時、「お〜い」と声が響く。その声にびくりと体が震え、足が竦んだ。あの男の声だ。
「奏(かなで)〜!どこにいるんだ〜い?お家に帰る時間だよ〜!」
山道をひたすら走る。後ろを振り返らないように、自分がどこを走っているのかわからないけど、ただ走る。あんなところにずっと監禁されているくらいなら、遭難した方がいっそマシだと思った。
私はずっとある男に誘拐され、山の中にある山荘に監禁されていた。ずっと手錠をかけられて、男にずっと監視されていたけど、男が「買い出しに行ってくるよ」と言って出て行った際、手錠の鍵を落としていった。それで拘束を解き、今に至る。
「ハァ……ハァ……」
監禁されていたせいで少し動いただけで息が上がる。スマホも何もないため、ただ勘で山道を下っていくしかない。運良く民家に辿り着くことを祈り、ただ足を動かす。
「早く逃げなきゃ!」
逃げて警察に助けを求めなきゃ。そう思っていたその時、「お〜い」と声が響く。その声にびくりと体が震え、足が竦んだ。あの男の声だ。
「奏(かなで)〜!どこにいるんだ〜い?お家に帰る時間だよ〜!」