君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
噂ではもう結婚式の準備を進めているらしい。あんなに綺麗な人だ。ウェディングドレス姿は女神みたいに綺麗なんだろう。その隣に立つ芹沢さんもきっと世界一かっこいい花婿さんだ。

推しアイドルの結婚は少し寂しいけど、笑顔で祝福するべき。そんな暗黙の了解の元、私は今日も芹沢さんと同じ部署で仕事をこなす。そして少し残業してから会社を出た。

（疲れたな〜。夕飯どうしよう……）

そんなことを考えながらのんびり歩いていた。その時。

「ッ！？」

口元にハンカチを当てられる。驚いてそのハンカチを剥がそうとしたけど、体に回された腕がそれを許さない。やがて体から力が抜けて、意識がなくなった。



頭がぼんやりとする。少しずつ意識がはっきりとしてきた。それと同時に何者かに襲われたことを思い出す。

「ッ！」

目を開けると視界いっぱいに天蓋が広がった。お姫様のベッドみたいだ。そして体を起こして驚く。着ていたはずのブラウスとパンツは脱がされ、真っ白なドレスを着せられていた。レースたっぷりのドレスは花嫁が着るウェディングドレスだった。
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