君は僕のもの〜ヤンデレ短編集〜
「えっ……何これ……」
一見ごく普通に見える玄関の扉には、普通の扉ならば絶対にあり得ないものが取り付けられていた。暗証番号を入力する機械である。四桁の番号を入力しないと扉は開かない。
「嘘、嘘、嘘!」
やっと自由になれると思ったのに。狂ったように大声を上げながら私は数字を入力する。でも扉は開かない。私の誕生日や西暦、思い付く数字を入力するものの無駄だった。
「何で……」
絶望でその場に崩れ落ちそうになる。その時、外から物音がした。男の人が帰って来たのだ。私は慌てて広々としたクローゼットの一つに隠れた。そして今に至る。
「胡桃〜?」
男の人の名前を呼ぶ声とクローゼットのドアをノックする音が響く。ノックの音が近付いてくる。恐怖で思考が停止する。私は見つかったらどうなるんだろう。今にも過呼吸を起こしてしまいそうだ。
(お願い……見つからないで……)
必死に祈る私の近くを歩きながら男の人は言う。
「胡桃は隠れんぼがしたかったの?でもそんな歳じゃないよね。お部屋の何かが不満だった?教えてほしいな〜」
一見ごく普通に見える玄関の扉には、普通の扉ならば絶対にあり得ないものが取り付けられていた。暗証番号を入力する機械である。四桁の番号を入力しないと扉は開かない。
「嘘、嘘、嘘!」
やっと自由になれると思ったのに。狂ったように大声を上げながら私は数字を入力する。でも扉は開かない。私の誕生日や西暦、思い付く数字を入力するものの無駄だった。
「何で……」
絶望でその場に崩れ落ちそうになる。その時、外から物音がした。男の人が帰って来たのだ。私は慌てて広々としたクローゼットの一つに隠れた。そして今に至る。
「胡桃〜?」
男の人の名前を呼ぶ声とクローゼットのドアをノックする音が響く。ノックの音が近付いてくる。恐怖で思考が停止する。私は見つかったらどうなるんだろう。今にも過呼吸を起こしてしまいそうだ。
(お願い……見つからないで……)
必死に祈る私の近くを歩きながら男の人は言う。
「胡桃は隠れんぼがしたかったの?でもそんな歳じゃないよね。お部屋の何かが不満だった?教えてほしいな〜」