あの夏で待ってる
「最後にいったのは、小学校の夏祭りだったね」
「・・ぶっこむね」
私がどうしても触れたくなかった話題に、さらっと触れてくるたくみ
「最後、ひどいこと言ったし」
「別に、ひどくはないじゃん」
「うそ、はるかはずっとあの夏にいる、それは俺のせい」
「・・・意外と進んでるよね、時間って、気づかない間に」
「メール、見てくれたんでしょ」
「・・あの夏って言われたからね、だれかさんに」
水切りをやめて、私の横にしゃがんだたくみ
そっと左手を取って
「ごめん、はるかはずっと隣にいたのに、勝手に遠ざけた」
「たくみ、」
「今年の夏に、来てくれませんか」