はないちもんめ
あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。
あの日、私達はまだ小学生だった。
そして、いつものように仲良く遊んでいた。
私達はもともと、仲良し五人組だった。
私と亜由美と佳奈子と由香と……夏美の五人。
私達は、みんなで“はないちもんめ”をした。
気がつくと、知らない子も一緒に遊んでいた。
つまり、六人で…。
それに気付くのが遅すぎた。
その知らない子は、最後に夏美の手をぎゅっと握っていて、離そうとはしなかった――。
絶対に。
夏美をどこかへ連れていくかのように。
そして、私達はその子は普通の子じゃないことを悟って、恐怖のあまりに、逃げ出してしまった。
夏美を置いてきてしまったんだ。
そして――…。