はないちもんめ


 あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。


 あの日、私達はまだ小学生だった。

 そして、いつものように仲良く遊んでいた。

 私達はもともと、仲良し五人組だった。

 私と亜由美と佳奈子と由香と……夏美の五人。


 私達は、みんなで“はないちもんめ”をした。


 気がつくと、知らない子も一緒に遊んでいた。

 つまり、六人で…。


 それに気付くのが遅すぎた。



 その知らない子は、最後に夏美の手をぎゅっと握っていて、離そうとはしなかった――。

 絶対に。

 夏美をどこかへ連れていくかのように。


 そして、私達はその子は普通の子じゃないことを悟って、恐怖のあまりに、逃げ出してしまった。

 夏美を置いてきてしまったんだ。


 そして――…。





< 11 / 23 >

この作品をシェア

pagetop