はないちもんめ
私が家に着いてしばらくたったあと、夏美のお母さんから電話があって、夏美がまだ家に着いていないということを聞いた。
悪い予感がした。
もしかして…と思った。
そして、その悪い予感は、的中した。
あのあと、本当に夏美は家に帰ってこなかった。
警察も呼んで、騒動にもなった。
でも、それでも帰ってこなかった。
結局、警察は夏美が“家出”したんだと決めつけ、夏美の両親は号泣していた。
夏美は、比較的優しい性格で、決して家出なんかする子じゃなかった。
だからといって、警察に
「一緒に遊んでいた、恐い子に連れていかれた」
なんて言っても、誰も信じてくれないだろう。
そして、この事件は、幕を閉じたのだ――。