はないちもんめ

「私、もう帰る」亜由美はスクールバックを肩にかけ、教室を出ようとする。

「ちょっと、亜由美!?」
 私は呼び止めたが、亜由美は気にせず、そのまま教室を出ていった。

 気の強い亜由美だって、きっと恐いんだ…。私はそう思った。



「……私達も帰ろう?」由香が言った。

「うん…」私と佳奈子は、力無く頷いた。



 私達が外に出ると、空はもう既に薄暗く、ぼんやりしていた。



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