星合いの夜が来る前に
だって、私は2年生で、先輩は3年生。


織姫と彦星は毎年会えるかもしれないけど、私と先輩は来年も会えるとは限らないのだから。


だったら、今から誘ってみようかな。


一か八か。断られるかもしれないけれど、短冊に書いた願い事を実行するために。


「それじゃあ、俺はこれから図書委員の仕事があるから行くね」


先輩がカウンターに行ってしまう前に、私は「待ってください!」と呼び止めた。


「何?」と振り返った先輩に、私はドキドキしながら思い切って口を開いた。


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