雷の夜に 〜憧れ上司と二人きりの残業は甘くて〜
「悪い、今日残業頼めるか?」
課長に言われて、私は目をしばたいた。
時刻は四時三十分。水曜日の今日はノー残業デーで、本来は残業がないはずだった。
だから水曜日の夜に予定を入れている人は多い。だけど、幸か不幸か、私には予定がない。
「大丈夫です」
私が答えると、課長はホッとしたような顔になった。
「A社に送る資料を作って欲しいんだ」
そう言って、詳細を伝えられる。
A社は課長が担当している案件で、大切な取引先だ。
私は張り切って作業を開始した。
課長は誰がどう見てもイケメンだ。私の五歳上の三十四歳、男盛り。細身のスーツがよく似合っていて、女性の人気が高い。
かくいう私も彼のファンで……もっと言うなら、恋をしている。
だけどそれを伝える勇気なんてない。
ただ見ているだけしかできない片想い。
でも、それでいい。
この日まで、そう思っていた。
定時を過ぎると、同僚が次々と帰っていく。
仲の良い同僚に、お疲れ様、と声をかけられた。
「せっかくのノー残業デーに、残念だったね」
「でも、なんにも用事がないから」
私は苦笑して答える。
課長に言われて、私は目をしばたいた。
時刻は四時三十分。水曜日の今日はノー残業デーで、本来は残業がないはずだった。
だから水曜日の夜に予定を入れている人は多い。だけど、幸か不幸か、私には予定がない。
「大丈夫です」
私が答えると、課長はホッとしたような顔になった。
「A社に送る資料を作って欲しいんだ」
そう言って、詳細を伝えられる。
A社は課長が担当している案件で、大切な取引先だ。
私は張り切って作業を開始した。
課長は誰がどう見てもイケメンだ。私の五歳上の三十四歳、男盛り。細身のスーツがよく似合っていて、女性の人気が高い。
かくいう私も彼のファンで……もっと言うなら、恋をしている。
だけどそれを伝える勇気なんてない。
ただ見ているだけしかできない片想い。
でも、それでいい。
この日まで、そう思っていた。
定時を過ぎると、同僚が次々と帰っていく。
仲の良い同僚に、お疲れ様、と声をかけられた。
「せっかくのノー残業デーに、残念だったね」
「でも、なんにも用事がないから」
私は苦笑して答える。
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