氷龍の贄姫
「結局、私がフレイムシアンに嫁ぐのは、フレイムシアンの龍魔石を融通させてもらうためのようなものよ。こちらの龍魔石の採取量が減っているわけでしょう? となれば、向こうに渡せる氷龍の龍魔石も減る。そうなれば向こうからもらえる火の龍魔石も減る。寒さの厳しいこの国にとって、火の龍魔石は必要不可欠なものでしょう? そこを今までと同じように融通してもらうために……」
やはり龍魔石が原因だった。
オーレリアの縁談は、アイスエーグル国に火の龍魔石を絶やさぬようにするために必要なものなのだ。
「そうなのですね。お姉様がフレイムシアンに行かれてしまうと、寂しくなりますね」
「……そうね。あなたは私の妹ですもの。こんな話は、お父様やお兄様にはできない」
「お姉様はこの縁談を受け入れるつもりなのですね?」
オーレリアはにっこりと微笑んだ。気高い笑みである。
「えぇ。王族の義務として、この婚姻を受け入れます」
そう答えたオーレリアは、今までになく美しかった。
やはり龍魔石が原因だった。
オーレリアの縁談は、アイスエーグル国に火の龍魔石を絶やさぬようにするために必要なものなのだ。
「そうなのですね。お姉様がフレイムシアンに行かれてしまうと、寂しくなりますね」
「……そうね。あなたは私の妹ですもの。こんな話は、お父様やお兄様にはできない」
「お姉様はこの縁談を受け入れるつもりなのですね?」
オーレリアはにっこりと微笑んだ。気高い笑みである。
「えぇ。王族の義務として、この婚姻を受け入れます」
そう答えたオーレリアは、今までになく美しかった。