氷龍の贄姫
「エセル。よくやった」
「エセル、ありがとう。もう、大丈夫よ」
いくら相手がエセルバードであっても、この姿を見られるのは恥ずかしい。ラクシュリーナは身体のすべてを小さな彼に預けている。
「お怪我がなさそうで、安心いたしました」
エセルバードがラクシュリーナの身体を起こし、彼女も地面にしっかりと足をつけた。
「姫様。もう少しですが、歩くことはできますか?」
サライアスも心配そうに見つめてくる。ランタンの光をラクシュリーナの前に差し出し、表情をしっかりと確認してきた。
「お顔が赤いようですが、もしかして疲れましたか?」
「だ、大丈夫よ……。そのランタンの明かりの加減ではなくて?」
小さな子どもだと思っていたエセルバードの身体が、思っていたよりもしっかりとしていた。
「姫様、私が背負いますか?」
いきなりサライアスが背中を向けてしゃがみ込む。
「だから。わたくしはもう子どもじゃないの。きちんと歩けます」
ちょっとだけ声を荒らげると、ふっと鼻で笑いながらサライアスが立ち上がった。
「いたずらが過ぎましたね。では、気をつけて歩いてください」
「義父上、姫様がまた転びそうになったら、ボクが支えますから」
「頼もしい息子で誇らしいよ」
「もう」
サライアスとエセルバードのやりとりに、頬を太らせた。
これでは意地でも転んではいられない。
「エセル、ありがとう。もう、大丈夫よ」
いくら相手がエセルバードであっても、この姿を見られるのは恥ずかしい。ラクシュリーナは身体のすべてを小さな彼に預けている。
「お怪我がなさそうで、安心いたしました」
エセルバードがラクシュリーナの身体を起こし、彼女も地面にしっかりと足をつけた。
「姫様。もう少しですが、歩くことはできますか?」
サライアスも心配そうに見つめてくる。ランタンの光をラクシュリーナの前に差し出し、表情をしっかりと確認してきた。
「お顔が赤いようですが、もしかして疲れましたか?」
「だ、大丈夫よ……。そのランタンの明かりの加減ではなくて?」
小さな子どもだと思っていたエセルバードの身体が、思っていたよりもしっかりとしていた。
「姫様、私が背負いますか?」
いきなりサライアスが背中を向けてしゃがみ込む。
「だから。わたくしはもう子どもじゃないの。きちんと歩けます」
ちょっとだけ声を荒らげると、ふっと鼻で笑いながらサライアスが立ち上がった。
「いたずらが過ぎましたね。では、気をつけて歩いてください」
「義父上、姫様がまた転びそうになったら、ボクが支えますから」
「頼もしい息子で誇らしいよ」
「もう」
サライアスとエセルバードのやりとりに、頬を太らせた。
これでは意地でも転んではいられない。