私が好きな人は現実世界にいません!
そして数日後。

連ドラの出演者が別館にやってきて、撮影を始めた。

別館には、厳戒態勢が引かれ、私達生徒すら近づけない状態だった。


「あーあ。せめて一目だけでも見たいな。」

「ねえ。見るくらいいいじゃんね。」

クラスの女子は、この状態に文句連発だ。


そんな時だった。

「ねえ、トイレ使えなくなってるらしいよ。」

「うっそー!」

そして私はブルっと身体が震えた。

こんな時に限って、トイレに行きたくなるなんて!

仕方ない。

別のトイレに行くしかない。


私は急いで階段を降りると、昇降口の近くにあるトイレに駆け込んだ。

「はぁー。間に合った。」

すっきりしながらトイレを出ると、そこに見た事もない制服を着た男子が、歩いていた。

「えっ⁉誰ですか⁉」
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