冷酷無慈悲な悪魔公女ですので暴君殿下に溺愛されても動じません
4 デート
そして、イヴァンの立ち位置を完全に理解した頃、イヴァンがシルビアの部屋を訪れた。
「シルビア、出かけるぞ」
突然現れて何を言い出すかと思えば、外出の誘いだった。
外行きの服に身を包み、いつでも出かけられる準備ができているイヴァンと違って、シルビアはドレス姿とはいえ薄化粧のままだ。女性が準備に時間がかかることも考えずに誘ってくるところが、うつけ者のイヴァンらしい。
「今すぐには無理です。着替えも化粧もしなければいけませんし……」
「そんなものは必要ない。そのドレスで十分だろう」
「王太子妃がこのような格好で外を歩けば、この国の財政が疑われます」
「誰にも見られないから大丈夫だ!ほら、さっさと行くぞ」
てっきり公務のための外出かと思っていたシルビアは、眉を顰めた。
「待ってください。一体何をしに行くおつもりですか」
「デートだ!」
デート。
聞きなれない言葉に、思わずオウム返しをしてしまう。
「なぜ私と殿下がデートを?」
「わざわざ理由を言わないと出かけられないのか」
イヴァンが呆れたように言った。
未来の王太子妃という立場になったとはいえ、王太子の命令を拒めるはずもなく、シルビアは渋々重い腰を上げ、イヴァンの後について行った。
結婚式まではまだ時間があった。
それまでに親交を深めようということなのだろうか。
二人の関係性は出会った頃となんら変わっていないのだから。
「シルビア、出かけるぞ」
突然現れて何を言い出すかと思えば、外出の誘いだった。
外行きの服に身を包み、いつでも出かけられる準備ができているイヴァンと違って、シルビアはドレス姿とはいえ薄化粧のままだ。女性が準備に時間がかかることも考えずに誘ってくるところが、うつけ者のイヴァンらしい。
「今すぐには無理です。着替えも化粧もしなければいけませんし……」
「そんなものは必要ない。そのドレスで十分だろう」
「王太子妃がこのような格好で外を歩けば、この国の財政が疑われます」
「誰にも見られないから大丈夫だ!ほら、さっさと行くぞ」
てっきり公務のための外出かと思っていたシルビアは、眉を顰めた。
「待ってください。一体何をしに行くおつもりですか」
「デートだ!」
デート。
聞きなれない言葉に、思わずオウム返しをしてしまう。
「なぜ私と殿下がデートを?」
「わざわざ理由を言わないと出かけられないのか」
イヴァンが呆れたように言った。
未来の王太子妃という立場になったとはいえ、王太子の命令を拒めるはずもなく、シルビアは渋々重い腰を上げ、イヴァンの後について行った。
結婚式まではまだ時間があった。
それまでに親交を深めようということなのだろうか。
二人の関係性は出会った頃となんら変わっていないのだから。