あなたの心に寄り添いたい 〜この好きという気持ち〜

私には関係ない、every day

…。
…。
「席替えをします」
そんな先生の声を無視して、私は授業中に本を読み続ける。
何の本かはバレないように、ブックカバーで隠してあるけど。
「え、もうすぐ夏休みだから⁉︎」　
すぐに男子が反応をする。
「おい、キツネ！聞いたか⁉︎席替えするんだってよ」
「…」
私に【キツネ】というあだ名がついているのは知っている。
目つきが悪く、授業態度は最悪。ぼっちで友達はゼロ。
いわゆる、問題児ってものかもしれない。
春夏秋冬関係なく、私は読書。
…名前なんて、覚えてるヤツ、ひとりもいないんだろう。
「バッカ！まだ春だぞ⁉︎6月中旬だぞ⁉︎全然夏休みじゃねぇよ！」
すかさず他の男子がツッコミを入れる。
そんな教室の毎日だって、私は関係ない。