この恋、最後にします。
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「では、なぜ神子谷さんは正社員になりたいのでしょうか。
理由をお聞かせ願いますでしょうか?」
面接も
「はい、私が正社員になりたい理由は、非正規雇用ではできなかった業務に積極的に挑戦したいと思ったからです。
派遣社員で働いている現在、お店に一度手伝いとして・・・・」
細野主任にマンツーマンでお願いし、必死に練習もした。
「いいんじゃない?よくなってるよ」
前向きな言葉をくれる細野主任のためにも、別日に控える面接も成功したいと。
だからこのチャンス、無駄にしてはいけないと・・・なんども思っていたのに。
思っていたのに、なぜ私は今、優先順位に迷っているのだろうか。
面接を控えた今日、朝一、こんなメッセージが届く。
【急にすみません、雪の友達のユウタです!
この前一緒に遊んだ時にもいた最上って子覚えてますか?
実は今日、最上が行方不明になったって聞いて。
もし分かったら連絡ほしいです!
結構やばめです!】
このメッセージに私は迷っているのだ。
もちろん、面接が終わった後に行けばいい話だし、唯一私は最上汐里ちゃんとそれほど接点もない。
ただあの時遊んだのと、偶然出くわしたくらいの関係だ。
なのに私は、変に考えてしまう。
もし、汐里ちゃんが危ない目にあっているのだとしたら?
この面接なんかより、人の命の方が大事に決まっている。
ましてや、事件に関係しているのだとしたら、汐里ちゃんに一生の傷ができてしまうかもしれない。
だったら私・・・・。
拳に力が入る。
prrrr♪
prrr...♪
タイミングよく、電話が鳴る。