この恋、最後にします。




「もしもし」



『もしもし神子谷、今どこ、何してる』



電話越しでも分かる、細野主任の表情と、その感情。



「あーー、まだ家で」



『迎えに来てる、下に来れるか?』



「え?」



部屋の窓から下を見ると、アパート下に停まる高そうな車と、細野主任の姿。



『なんだか俺も昨日からそわそわしちゃって、迎えにまで来ちゃった』




少しホッとしてしまう。


細野主任はいつも私の考えていることについては見透かしてくるから、今も勘づいて迎えに来たのかと思ってしまったのだがそうではないみたい。



「今、行きます」



『ああ、待ってる』



電話を切った後に、スマホの画面を見ると、一件の通知が届いていた。



見てはいけないと思い、私はスマホをカバンの中にしまって家をでた。




 
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