この恋、最後にします。
「派遣なのに派遣なのにって、全部の言葉に派遣なのにって聞こえるんです。
課長からは正社員も夢じゃないとか言われて初めはすごく嬉しかったし、正社員で入社できなかったこの会社に
正社員として正式に働けるんだって・・・でもそれも嘘だって最近気づいたし」
柏木さんは悪くないのに、言葉がでてきてでてきて止まらない。
「派遣は雑用するにはもってこないの人材なのもわかってます。
なのに私は・・・もう・・・疲れちゃいました。もう無理!もう無理なんですよね!ははっ」
涙が目に溜まっていく。
焦った表情の柏木さんに「すみません」と謝り、涙がこぼれないように唇に力を込めた。
「ごめんなさい私、神子谷さんに頼りっぱなしだったのかもしれないです」
「いえ、そんなことは」
「違うの聞いて。
上司からの仕事、たくさん頼まれては忙しい辛いを理由にして、頼んできた上司に神子谷さんにも
声をかけてみてほしいって言ったことがある。
神子谷さんの仕事量が正社員と変わらないのはきっと私のせいよ。」
「そう、なんですか・・・?」
「神子谷さんのこと採用面接の時、見かけたことがあるの」
3年前の採用面接---------------
確かあの頃は桜が散り始めた4月だったのを覚えている。
「私たち、グループ面接で同じグループだったのよ」
「えっ柏木さんと私って同い年なんですか?」
「そうよ、私早生まれってだけで神子谷さんとは同級生よ」