この恋、最後にします。



「ち、小さくて見えないわよ」



これはきっと彼の電話番号だ。


そう興奮してる自分を隠したくて、わざと意地悪なことを言ってしまう私。


また、やってしまっている気がする。



「これ、俺の連絡先。かけてみ?」



「え?ほんとでしょうね?」



やっと口を開いた成宮くんに対しても、興奮しながら私は平然を装う。



番号をガン見しながら、ひとつひとつ丁寧に番号を打つ。



prrrr...

prrr.....




成宮くんはスマホと画面をこちらに見せて「ほらな」と言って笑った。




「ああ、あーありがと、う」



ぎこちのなさに自ら笑ってしまいそうだが、それよりも連絡先を交換できたという事実に私は整理ができないでいた。



「イタ電してやろ」



連絡先の交換ってこんなにドキドキするものだったろうか。


中学生、高校生の頃のことを思い出すが、嫌な記憶しかないのだ。



 
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