この恋、最後にします。
嫉妬の感覚



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成宮くんからのショートメッセージは唐突だった。



夜中の1時に届いていたメッセージを、朝の7時に見ている。



それでも私は、何故か冷静に、画面に光るメッセージを見つめている。



【聞きたいことあるんだけどさ】




一言だけ。



いや、いやいや。



続きのメッセージはないのか。



それじゃあ、私はどう返事したらいいの?と考えれば考えるほど頭を抱える内容だった。



【なんだい?】


いや違う。


【どうした!!】


いや、熱すぎるな。


【んー?】


私にしてはあざとすぎる。



何度も打ち込んでは消す。



まるで学生に戻った気分になる。



私はまだまだ大人の余裕などないのだと再認識する。



30分ほど考えた末に、私は【どうしたー?】と入力し、すぐに画面を黒くさせ、スマホを裏にし、ベッドの上で背筋を伸ばす。



今日が仕事だったらメッセージの返信など気にしなくて済むのに、今日は案の定休みである。



・・・・・・・。



・・・・・・・・・・・・。




気になる。



薄目でスマホの画面を光らせ通知がきているか確認する。



「きてない・・・か」



ほっとしている自分と、聞きたいことの内容が早く知りたいと思う自分と、どちらもいるみたいで変な感情に駆られる。



聞きたいことって何だろう。



ぱっと思いつくことは「好きな人はいるの?」とか「明日仕事教えてください」とか・・・・・・



「って、何考えてんだ私は!」



頬を軽く叩き、朝ごはんの準備を始める。


 
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