この恋、最後にします。
朝ごはんといっても、女一人暮らしの朝ごはんは基本適当である。
そんなこと言ったら、世界中の一人暮らしの女性を敵に回してしまうので、ここは訂正し、”私は基本適当である”にしようかな。
キムチとウインナーとお米。
この三点セット。
ネットでよくみる綺麗に揃った朝ごはんや、綺麗なお姉さんが食べていそうなオートミールやアサイーボールなど、できやしない。
成宮くんにバレなければいいや、なんて思っている自分が少し可哀想だ。
「よしっいただきまーー・・・・・」
大きな口を開けるや否や・・・
pon♪
タイミングがいいのか悪いのか、スマホの通知音が鳴る。
またもや冷静に通知を確認する。
だけど私の目は、瞬きすることを忘れていたようで、とてもじゃないけど画面を見ていられずに逸らす。
頭の中で整理する。
私が見た内容は【柏木さんと仲いいんだっけ】だったはずだ。
間違えてはいない。そう書いてあった。この目で見た。
なぜ、いま、柏木さんの名前がでたのか私にはよくわからなかったが、頭の片隅には少し見えてきたものがある。
成宮くんは、柏木さんのことが気になっていて、昨日私が柏木さんと話しているのをたまたま見ていて、それで、それで。
私を、使って・・・というか、当て馬に、させる・・・っていうか。
確かに歓迎会の時も成宮くん、柏木さんのことチラチラ見ていた気もするし、初めて会った日によそよそしく挨拶してたのだって、あれは緊張するくらいの存在だったのだろうし。
好きな人にはシャイになるタイプで、どうでもいい相手にはグイグイ仲良く行けちゃうタイプなんだって。
考えれば思いつくことがたくさんある。
だってまだ会って間のないのに、こんなに思いつく。
なんか、なんだろこれ。
やっぱりね。
連絡先交換したら、駆け引きのツールと化してしまうんだって。