この恋、最後にします。
pon♪
【俺も仲良くなりたい】
・・・・・・・・・・・・・は?
ああ、そうですか。
なにこれ。いや、なんなのこれは。
こんな嫉妬、私嫌だよ。
【いいんじゃないの?】
かなりうるさめの心臓の音に邪魔されながら、必死に返信する。
こういう文字にして交流するメッセージ機能というのは、必ず記録となって残ってしまうからメッセージはやっぱり嫌いだ。
見たくなくても、見てしまえばその時の感情が湧き出てきてしまうのだから。
pon♪
【どうしたらいいんかな】
・・・・えっと、はい?
私がかなり早くに返信をしたからか、同時間隔で返信が来ることとなる。
それはそれで、かなり厄介だ。
だけど、もういい。
早くこの会話を終わらせて楽になろう。
【私は根回しできないけど、とりあえず沢山話してみたら?】
優しいな、と我ながらに思う返信をする。
さあ、どうくる少年よ。
pon♪
【なるほど。俺さ、柏木さんの連絡先交換したいんだけどタイミングなくて】
【出勤時間合わせて待ち伏せでもしたらいいんじゃないかな】
pon♪
【おお、おっけ!ありがと!】
息が乱れつつあると気づき、すぐに呼吸を整える。
終わった、これでおしまいだ。
メッセージも恋も全部。
ま、まあ仕事はとりあえず柏木さんに辞めるなってとめられたから?続けようと思うけど・・・ね。
変な冷や汗とともに、私の恋は幕を閉じることとなるのだった。
・・・・なんて、そんなことないのだけれど。
片想いって結構図太くできていて、サッパリサバサバ女子でもすぐに恋の幕を閉じることなんてできないでしょう。
そういうことです、みなさん。
まだ少し、私の恋物語にお付き合いくださいませ。