この恋、最後にします。
佐倉さんに送ったメッセージは、すぐさま彼に届き、すぐに返信が届いた。
『いつものところにいるからね』
″いつものところ"、分かってしまうのがなんだか嫌悪感を抱く。
「課長、今日ちょっと早退させていただきます」
「ああ・・・そうか、分かった。柏木ちゃん大丈夫か?仕事は」
「ええ、大丈夫ですよ。神子谷さん、今日の業務すべて終わってるみたいですので」
「え、まだ・・・」と言うと、柏木さんは私をめがけてウィンクをしてみせた。
ありがとう、と口パクで礼を伝えて私は帰る準備をする。
「じゃあ、成宮くんいってくるね」
「おう、俺も行こうか?」
「だーめでしょ、柏木さんの仕事手伝っといて」
「なんだよ」
ムスっとしたこの表情が、とても好き。
伝えたい想い、たくさんあるんだ。
だからこそ、早くケジメをつけにいかなくちゃ。
「お先に失礼します」と事務所全員に伝え、私は重い足と震える手のまま、会社から飛び出した。